ベストワークスの北村です。
いつもご覧いただきありがとうございます。

今月もたくさんのご新規様からのお問い合わせや、お打ち合わせをいただき、本当にありがとうございます。
皆様それぞれに大切な想いを持ちながら住まいをご検討され、その想いを聞かせていただけることに、日々学びと刺激をいただいています。
また、お話をさせていただく中でInstagramやホームページ、ブログのご感想をいただくことも多く、本当にありがたく思っています。
なかなか更新が追いつかず申し訳ありませんが、これからもベストワークスの理念や現場の空気感を少しずつお届けできればと思っています。

先日、以前ご縁をいただいたオーナー様より、新たなご相談をいただきました。
一軒目のプロジェクトを非常に気に入ってくださり、「次もお願いしたい」とお声をかけていただけることは、つくり手として本当にうれしい瞬間です。
今回は離れの設計ご依頼。
ヒアリングの中で、基本的にワンフロアの大空間を軸にした二階建てで、ご家族様が夜や休日に集いリラックスできる間取りをご希望です。
「あとはもう、北村くんのセンスは理解しているし、私のこともわかってくれていると思うから任せるよ」
そんな、うれしくも非常にプレッシャーのかかる言葉をいただきました(笑)
ご依頼者様は、ファッションやインテリアへの感度が非常に高い素敵な女性。
そのセンスや嗜好に触れた瞬間、自然とひとつの映画作品が頭に浮かびました。


The Holiday。
Cameron Diaz、Jude Lawらが出演する、美しく洗練されたラブコメディです。
ただの恋愛映画ではなく、“住まい”そのものが物語をつくる作品でもあります。
特に印象的なのが、キャメロン・ディアスが暮らすロサンゼルスの邸宅。
大きな吹き抜けとセンター階段があり、その階段は単なる移動のためではなく、空間そのものの中心として存在しています。
上下階がゆるやかにつながり、光や気配、人の存在が流れていく。
そこには、ただの「広さ」ではなく、空間に奥行きと余韻がありました。
今回の住まいは、その映画の空気感をひとつのヒントにしています。

『ひとつの空間』
その中にメゾネットのような立体的な広がりを足していく設計です。
・階段が単なる移動ではなく、空間の中心になること
・上下階が視覚的につながり、家族の気配が流れること
・吹き抜けによって光と余白が家全体に循環すること
今回はこの3つを、この住まいの主役にしました。



玄関を開け、リビングへ入ると大開口の吹き抜けが迎えてくれます。
その広がりと空間の一体感を担保するために、一階と二階に大きなガラス窓を配置しました。
内と外が緩やかにつながり、どこにいても庭を感じられる。
視線の抜けが空間の輪郭を曖昧にし、実際以上の広がりを生み出します。

階段には造作手摺りを採用しました。
壁による狭小感を少しでも和らげるためです。
それと同時に、階段そのものがインテリアとなり、空間全体に重厚さと洗練を与えています。
その階段を上がると、また造作手摺り越しに一階を望むことができます。
一階に二階があり、二階に一階がある。
そんな、不思議で特別な空間です。
本来、階段は移動のためのものです。
けれど今回は、その役割を超えて、日常の中に生まれる“余白”として存在しています。
使うためだけではない。
そこにあることで、一階と二階をつなぎ、人と人の気配をつなぐ。

様々な使い方ができるこの空間。
読む場所にもなる。
考える場所にもなる。
人を招く場所にもなる。
そして、何もしない時間を楽しむ場所にもなる。
使い方だけで価値が決まるのではなく、
ひとつひとつのアイテムや空間に意味を持たせることで、その場所は特別になっていく。
そんな住まいを、今回も丁寧に描いていきたいと思います。