ベストワークスの北村です
いつもご覧くださりありがとうございます
東野圭吾さんがお亡くなりになりました。68才の早逝でした。

引用先:Amazon.co.jp
東野圭吾さんはミステリー作家と呼ばれますが、私には少し違って見えます。
事件を描いているようで、本当に描いているのは人の心です。
『白夜行』では愛と罪の境界線を描き、
『秘密』では家族とは何かを問い、
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』では人の優しさを描き、
『手紙』では犯罪者の家族という重いテーマに向き合いました。
その東野作品の中でも、私が特に心を揺さぶられたのが**『容疑者Xの献身』**でした。
東野さんの作品はたくさん映画化されていますが、この作品も映画化されています。

引用先:映画.com
主人公は福山雅治さんですが、堤真一さん演技推しです。(堤真一さんの大ファンです笑)

引用先:オリコンニュース
この作品には派手なアクションもありません。
どんでん返しだけを楽しむ物語でもありません。
読み終えた後に残るのは、言葉にならない切なさです。
主人公の石神(堤真一)は、数学だけを信じて生きてきたような不器用な男です。
人付き合いも得意ではなく、決して華やかな人生ではありません。
そんな彼が隣人の靖子(松雪泰子)と出会い、「誰かのために生きたい」と初めて思えた。
その気持ちは恋だったのか、愛だったのか、それとも感謝だったのか。
きっと本人にも説明できなかったと思います。
だからこそ彼は、自分の未来も人生もすべて投げ出してまで彼女を守ろうとします。
普通に考えれば理解できない行動です。でも、不思議と石神を責める気持ちにはなれません。
それは東野圭吾さんが、石神という人間の孤独や優しさを、時間をかけて私たちに見せてくれるからです。
人は理屈だけでは生きていません。
数字では説明できない感情があります。常識では測れない愛があります。
東野圭吾さんは、その「人間らしさ」を物語の中で教えてくれます。
私は住宅の仕事をしていますが、この作品を読むたびに家づくりと少し似ていると感じます。
お客様が家を建てる理由は、人それぞれです。
子どもが生まれたから。
家族との時間を大切にしたいから。
両親の近くで暮らしたいから。
安心して老後を迎えたいから。
しかし、その背景にある人生を知ることで、初めて本当にそのご家族に合った家をご提案できるのだと思います。
お客様のご要望を何度も考え理解して、深いところでご提案お話しさせていただく。
東野圭吾さんは、事件の裏側にある人生を描きます。
私たちは、お客様の将来も考えたずっと先ににある人生を考えます。仕事は違っても、「人を理解したい」という気持ちは同じなのかもしれません。
『容疑者Xの献身』の最後を読み終えたとき、私は「完璧なトリックだった」とは思いませんでした。
心に残ったのは、「こんなにも深く人を想うことができる人がいるのか」ということでした。
愛は、時に人を強くし、時に人を苦しめます。そして、そのどちらも人間らしさなのだと思います。
東野圭吾さんの作品は、犯人を当てるための小説ではありません。
人の弱さ、人の優しさ、人の孤独、そして人を愛するということの重さを教えてくれる物語です。
だから私は、読み終えた後にいつも少しだけ優しい気持ちになります。
そして、「人を理解すること」の難しさと大切さを、改めて考えさせられるのです。
素敵な作品をたくさん残してくださいました。
合掌