ベストワークスの北村です。
いつもご覧いただきありがとうございます。

先日、お客様とインテリアについてお話しさせていただく機会がありました。
その中でいただいたご質問です。
「世界最高峰のインテリアブランドって何ですか?」
なかなか難しいご質問ですね。🤭
以前、Instagramのリールで「世界三大時計」をテーマに、キッチンのグレードについてお話しさせていただきました。
その動画をご覧いただいたお客様からのご質問でした。
そもそも「最高峰」といっても、何を基準にするかによって答えは変わります。
デザインなのか.
品質なのか。
ブランドの歴史なのか。
それとも価格なのか。
今回は、希少価値と価格という観点から、私が世界最高峰の一人だと思う家具デザイナーをご紹介させていただきます。
「Jean Royère(ジャン・ロワイエ)」
皆様、ご存じでしょうか?
家具やインテリアがお好きな方なら、一度は耳にされたことがあるかもしれません。

1902年、フランス・パリに生まれたジャン・ロワイエ。
実はこの方、最初から家具デザイナーだったわけではないんですよ。
裕福な家庭に生まれ、若い頃は法律を学び、その後は貿易関係の仕事に携わっていました。
ところが1931年、29歳のときに大きな決断をします。
それまでの安定した仕事を辞め、家具やインテリアの世界へ飛び込んだのです。
しかも、専門的なデザイン教育を受けていたわけではありません。
家具工房に入り、家具の構造や製作技術を一から学んでいきました。
29歳からの挑戦。
1933年には、パリのシャンゼリゼ通りにあった「カールトン」というレストランの内装を手がけ、その才能が注目されるようになります。
さらに1937年には、パリ万国博覧会で数多くのインテリアを担当。

パリ万博 日本館 設計・坂倉準三
(ちなみに坂倉準三は、ル・コルビジェの弟子になります🤭)
一躍、フランスを代表するデザイナーの一人になりました。
第二次世界大戦後、ロワイエはフランス国内にとどまらず、世界へ活動の場を広げていきます。
1946年にはエジプトのカイロ、翌1947年にはレバノンのベイルートに拠点を設けます。
その後、南米などにも進出。
そして、彼の顧客には驚くような人物が名を連ねます。
エジプトのファルーク国王。
ヨルダンのフセイン国王。
イランの国王、パフラヴィー2世。
世界の王族たちが、彼に宮殿などのインテリアを依頼していたのです。
すごい世界ですよね。🤭
生涯で手がけたインテリアのプロジェクトは1,000件以上ともいわれています。
単に家具をデザインする人ではなく、空間全体を創造するデザイナーだったのです。
では、なぜジャン・ロワイエの家具は、今なお世界中で高く評価されているのでしょうか。
私は、その理由の一つが**「自由な発想」**にあると思っています。
当時の家具は、直線的で機能性を重視したデザインが数多く生み出されていました。
しかし、ロワイエの家具は違います。
丸い。
曲がっている。
色彩が大胆。
そして、どこか遊び心がある。

例えば、代表作の一つに、
「Ours Polaire(ウルス・ポレール)」
というソファがあります。
フランス語で「北極熊」という意味です。
1940年代後半に登場したこのソファ。
丸みを帯びた独特のフォルム。
包み込まれるような柔らかな曲線。
どこか愛嬌のあるデザイン。
まるで北極熊がリビングで寝そべっているような姿です。
一般的なソファとは、まったく違います。
北極熊の彫刻をソファにする発想
約80年前にこの発想が生まれていたことに驚かされます。

そして、皆様が気になるお値段です。🤭
2023年3月9日。
ニューヨークのクリスティーズという世界的なオークション会社で、ジャン・ロワイエのソファ1脚とアームチェア2脚のセットが落札されました。
その金額は、
342万ドル!!
当時の為替で換算すると、なんと約4億7,000万円です。
家具3点でこの価格ですよ。
住宅が何棟建築できるのでしょうか。笑
もちろん、すべてのジャン・ロワイエの家具がこれほど高額というわけではありません。
しかし、状態や来歴によっては、代表作が数千万円、あるいはそれ以上の価格で取引されています。本当に一点だけでも欲しい!
もはや一般的な家具の価格ではありません。
美術品の世界ですよね。
実は、ジャン・ロワイエの代表作はソファだけではありません。
例えば、
「Œuf(ウフ)」

フランス語で「卵」を意味する椅子です。
その名の通り、卵を思わせる丸みを帯びたデザイン。
そして、
「Liane(リアーヌ)」

こちらは植物のつるを思わせる曲線が特徴的な照明です。
まるで植物が空間の中で成長しているかのような、非常に独創的な作品です。
さらに、金属や木材だけでなく、わら細工などの素材も積極的に取り入れていました。
ロワイエの作品を見ていると、家具とアートの境界線がなくなっていくように感じます。
私が特に興味深いと思うのは、ロワイエが家具だけを考えていなかったことです。
ソファ、椅子、テーブル、照明。
そして、壁や天井、暖炉まで。
すべてを一つの空間として考えていたのです。
彼は暖炉のデザインにも強い関心を持ち、1950年には暖炉とその周辺空間をテーマにした本まで出版しています。その気持ちわかります🤭
単に高価な家具を並べるのではありません。
家具の曲線。
照明の配置。
壁の色彩。
素材の質感。
それらが調和することで、一つの空間が完成する。
この考え方は、私たち建築会社にとっても非常に重要なことだと思っています。
さて、ここで少し不思議に思いませんか?
約80年前にデザインされた家具が、なぜこれほど高額になるのでしょうか。
理由の一つは、希少性です。
ジャン・ロワイエは1981年に亡くなっています。
当時製作されたオリジナルの家具は、当然ながら数に限りがあります。
さらに、製作された年代や保存状態、誰が所有していたのかといった来歴によっても価値が大きく変わります。
しかし、私はそれだけではないと思っています。
本当に優れたデザインには、時代を超える力がある。
約80年前のソファを、現代の洗練された住宅に置いても違和感がない。
むしろ、その家具が空間の主役になる。
これって、本当にすごいことだと思いませんか?
そして、もう一つ。
ジャン・ロワイエは1970年代初めにデザインの第一線から退き、1981年に亡くなりました。
しかし、彼の作品はその後も評価され続けています。
生きていた時代だけでなく、亡くなってから何十年も経った現代において、世界中のコレクターが作品を求めています。
ここに、私はデザインの本当の価値を感じます。
流行しているから価値があるのではありません。
流行が終わっても、人々を魅了し続ける。
それが本物のデザインなのだと思います。
さて、ここからは少し建築のお話をさせてください。
私は、住宅とインテリアは切り離して考えるものではないと思っています。
例えば、どれだけ素敵な住宅を建築しても、そこに置く家具によって空間の印象は大きく変わります。
逆に、素晴らしい家具を置いたとしても、建築との調和が取れていなければ、その家具本来の魅力を十分に引き出すことはできません。
高価な家具を置けば、上質な空間になるわけではありません。
大切なのは、建築と家具が互いの魅力を引き出し合うこと。
ベストワークスが大切にしている「空間づくり」にも通じる考え方です。

そして、ジャン・ロワイエの人生を知ると、もう一つ考えさせられます。
29歳で、それまでの仕事を辞めて新しい世界へ飛び込んだ人物が、やがて世界の王族から依頼されるデザイナーになった。
最初から世界最高峰だったわけではありません。
自分の感性を信じ、技術を学び、独自の世界観を築き上げたのです。

私たちが建築している住宅も同じです。
完成した瞬間が一番美しい住宅ではなく、10年、20年、そして50年経っても魅力を感じられる住宅。
時代の流行に左右されるのではなく、長く愛される空間。
そんな住宅をつくり続けたいと思っています。
価格は数字で表せる。
しかし、価値は数字だけでは表せない。
約80年前に生まれた一脚のソファが、そのことを教えてくれているように感じます。
流行は時代とともに変わる。
本物の価値は、時代を超えて残る。
最後までご覧いただきありがとうございました。🙇♂️
ちなみにロワイエの作品では無いのですが、過去にザザビーズのオークションで、椅子が1脚38億で落札されたこともありますよ!38億円🤭
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東近江市東今崎町建売住宅見学会
所 在 地 滋賀県東近江市東今崎町2番31-8号
開催日時 令和8年10月17日(土) ・ 10月18日(日)
開催時間 open 11:00 close 17:00
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